2015年06月24日

1.5ヶ月で2個しか製作できないブリーフケース『Elliott』

こんにちは。
Specialiteスタッフのアキラです。

本日ご紹介させて頂くのは、ご要望の多いビジネス・フォーマルシーンの定番アイテムのブリーフケースです。
ブリーフケースとは『書類用鞄』の事です。
今回ご紹介させて頂くブリーフケースは『Elliott』と命名されておりますがちょうど一年近く以前に日本経年変化協会に企画されリリースされましたが、企画に基づいた設計されたパターンは
・皮革素材の制約条件が厳しい
・歩留まりが他の鞄よりも悪い
・製作する職人の身体的負担が大きい

と言った理由から、製作を休止していましたが、再製作及び再販を希望する声を多数頂き、Specialiteブランドから再リリースさせて頂くことになりました。


シンプルなデザインだがタフな使用と耐久性を最大限に設計された究極のブリーフケース


1.5ヶ月で2個しか製作できないブリーフケース『Elliott』
ブリーフケース : 『Elliott』
価格 : 130,000円(税別)
ブランド : Specialite
企画 : 日本経年変化協会
製作 : Ken Shiina Design Laboratory代表 椎名賢
素材 : 牛革(フルベジタブルタンニン鞣し/北米産原皮)


企画背景
~1920年代アメリカ。成熟前のアメリカ文化と色濃く残る英国文化の交じる時代をイマージュ~

企画は日本経年変化協会の会長です。
会長が閃くパターンの方法の1つに洋画を参考にするケースがあり、これまでも幾度と見られます。今回のブリーフケース『Elliott』も例外ではなく、映画がヒントとなったようです。
1987年に公開された映画『Untouchable』はケビン・コスナー演じる主人公エリオット・ネスとロバート・デ・ニーロ演じる歴史的なマフィアであるアル・カポネの闘争を描いた実話に基づく映画です。

1.5ヶ月で2個しか製作できないブリーフケース『Elliott』
(映画『Untouchable』のワンシーン)
映画の舞台となるは1920年代のアメリカはシカゴ。第2次世界大戦以前であり、現在のアメカジ・ファッションは戦後であり、アメリカ文化はまだ成熟しておらず、英国文化と融合的であったと会長は言います。
当然レザーのブリーフケースは紳士のマストアイテムであり贅沢な革の使い方とハンドメイドによる質実剛健な造りは今日のモノづくりではコスト面から到底真似できるものではないようです。
今回リリースさせて頂くブリーフケース『Elliott』はこの1920年代に見られたブリーフケースをイマージュし、現在のビジネスシーンの用途に応じて改善を加えた逸品として仕上がっております。

仕様1
~外観ヴィジュアルデザインと素材選定~

1.5ヶ月で2個しか製作できないブリーフケース『Elliott』
鞄の外観は必要最低限のデザイン形状で余分な装飾は一切排除してあります。これは企画のベースとなった1920年代のアメリカのオリジナルのヴィンテージブリーフケースのデザインに通ずるものであると思われます。ここで特筆させて頂きますと、画像では見難いかもしれませんが、鞄本体の前面に一切縫製ステッチが施されていないことです。
言い換えると大きなパーツを要するため、一枚の革を贅沢に使用しなければなりません。半裁2枚(牛1頭分)で1個しか製作できないこともあり、半裁3枚(牛1.5頭分)で2個しか製作できない算出になります。

1.5ヶ月で2個しか製作できないブリーフケース『Elliott』
1.5ヶ月で2個しか製作できないブリーフケース『Elliott』
鞄内部に敷居を設定しているため、外観は伝統的なレザーブリーフケースの定番のデザインを採用。
カブセは一枚革を贅沢に採用していますが、真鍮製カシメで固定している鞄背面のデザインが他に見られないオリジナルデザインを演出しています。
企画を担当した日本経年変化協会の会長は素材選定も悩みの種だったそうです。一枚革のカブセはかなり良質なレザーを選定しなければ長年使うことにより、波打って凹凸が出来てしまうようで、製作の椎名賢氏と相談しつつ、Specialiteブランドから再リリース今回に北米産の原皮のフルタンニン鞣しのヌメ革に変更したそうです。肉厚な3.0mm以上の上質なヌメ革をカブセに採用し、漉き加工を行い本体を製作しております。上質なヌメ革は長年愛用して頂くことによってオーナー様のライフスタイルを反映した経年変化を演出してくれるはずです。

仕様2
~ブリーフケースの今日のトラブル『ハンドルの破損』への対応~

ブリーフケースのトラブルで最も多いものの1つに「ハンドルの破損」があります。既存の鞄ブランド、メーカーもハンドルの設置する場所や取り付け方に様々な趣向を凝らしておりますが、今なお多いトラブルです。日本経年変化協会の会長曰く
「書類専用の鞄に、今はノートPCやタブレット、分厚い資料など重たい荷物を入れるようになったから。書類専用の設計だったら壊れるのは当然。」
と言います。『Elliott』はデザイン的にトラディッショナルを追求しており、取り付け位置の変更は行っていません。

1.5ヶ月で2個しか製作できないブリーフケース『Elliott』
ヴィンテージのブリーフケース同様カブセからハンドルが突出している設計になっています。『Elliott』は見た目はシンプルですが、設計を行った椎名賢氏は職人技術とアイディアを鞄内部に詰め込んでいました。

1.5ヶ月で2個しか製作できないブリーフケース『Elliott』
『Elliott』を開くとその異様とも言える派手な構造に驚かれる声が多いですが、逆に『Elliott』を求めて頂く方々のポイントにもなっております。ブラス(真鍮)製の支柱が2本カブセの内部に取り付けられてります。

1.5ヶ月で2個しか製作できないブリーフケース『Elliott』
実はこのブラス(真鍮)製の支柱がハンドルを支える役割を担っています。ハンドル部分もブラス(真鍮)製のハトメで負荷が軽減するように加工が施されています。もちろんこのような支柱など市販されていませんので、椎名賢氏自らブラス(真鍮)の加工を行っています。外観から分からない工夫により、今日のビジネスシーンに応じた用途でも破損しない耐久性を生み出し、長年ご愛用頂ける設計と素材選定を行っているのが『Elliott』です。

1.5ヶ月で2個しか製作できないブリーフケース『Elliott』
支柱に負荷がかかっても破損することがないよう、支柱を支えるレザーの縫製はミシンではなく、ミシン糸より太い糸を使い手縫いで縫製し大切な部分を縫製しています。耐久性の向上はもちろんですが、万が一の修理の際手縫いの方が修理を行いやすいことも理由の1つです。

仕様3
~ハイエンドの仕上げ~

Specialiteブランドはフレンチレストランの”看板料理”を意味し、
・品質
・素材
・仕上げ
の要素で最高品質を保証しています。『Elliott』もブランドコンセプトから漏れることなく、ハイエンドの仕上げを行っています。

1.5ヶ月で2個しか製作できないブリーフケース『Elliott』
鞄内部は敷居で内部が2つに分かれています。十分な収納力を誇り、ノートPCや分厚いファイルも収納できます。
内部にはファスナー付きポケットとペン専用ポケットを内蔵しています。

1.5ヶ月で2個しか製作できないブリーフケース『Elliott』
ファスナーはYKKの最高品質であるエクセラを採用。引き手のハンドルは同素材のフルタンニンレザーでハンドメイドで製作。こちらのエクセラファスナーはYKKも受注後に製作するのでファスナーだけで手元に届くのが約1ヶ月かかる高品質で貴重なファスナーです。

1.5ヶ月で2個しか製作できないブリーフケース『Elliott』
サイドのペン専用ポケットは万が一ポケット内部にペンが落下しても隣のファスナーポケットと内部が貫通しているためにファスナーポケットからペンがサルベージできる設計ですので、安心して利用できます。オーナー様の使い勝手と起こりうるトラブルまで想定して鞄内部の機能を設計しています。

1.5ヶ月で2個しか製作できないブリーフケース『Elliott』
カブセの1枚革も全てヘリを手作業でおとし、コバ処理は全て切り目本磨きで仕上げてあります。
また画像でお分かり頂けるかと思いますが、カブセの縁取りには飾りネンが施されて、輪郭を引き締めています。

1.5ヶ月で2個しか製作できないブリーフケース『Elliott』
ハンドルは芯材を入れて強度を持たせると同時に長時間鞄を持っても疲れないような芯材の形状を採用し縫製して仕上げています。
徹底した磨きこみからあたかも1枚革かつワンパーツに見間違えるほどです。

約1ヶ月半かけて2個しか製作できないブリーフケース『Elliott』は当ブランドの代表的なラインナップの1つです。
現在構築中の通販サイトには現在予約分を製作しているので、お目見えするのは少し先かもしれませんが、一生モノと呼ぶにふさわしい逸品だと信じています。
※フルタンニンレザーですので定期的なメンテナンスは必要です。


変更点のお知らせ
~錠前を更に品質改良を行います~

現在カブセと鞄本体にブラス(真鍮)製の差し込みパーツを採用しておりますが、次回製作分から錠前パーツを下記パーツに変更致します。
1.5ヶ月で2個しか製作できないブリーフケース『Elliott』
こちらもブラス(真鍮)製の錠前パーツですが日本製であり、ヴィジュアルデザインの向上と品質向上を目的としてパーツ変更を行います。常に現状に甘んじることなく、改良の余地があるのであれば今後もマイナーチェンジを行い、品質向上に努めて行くのがmade in Japanのモノ造りであると信じています。

お問合せ先

通販サイトオープンまではメールでご希望の方に販売させて頂きます。下記メールアドレス

contactアットマークagingjapan.com
※スパムなどを防ぐため、お問合せの際はアットマーク→@に変換してから送信して頂けますよう宜しくお願い致します。
まで、
お名前、ご住所、連絡先電話番号をご明記の上、ご希望のカラーをお伝えくださいますよう宜しくお願いたします。
ご請求書をご返信させて頂き、ご入金確認後の発送とさせて頂きます。

通販サイトオープンまでご不便をおかけいたしますが、よろしくお願い致します。



同じカテゴリー(Specialite 鞄・バッグ)の記事画像
【驚愕】経年変化サンプル
Elliott Type Dオーダーのお知らせ
『Eliott Type D』年明け納品分で受付開始
最終仕様のElliott
同じカテゴリー(Specialite 鞄・バッグ)の記事
 【驚愕】経年変化サンプル (2016-10-26 00:35)
 Elliott Type Dオーダーのお知らせ (2016-02-14 07:07)
 『Eliott Type D』年明け納品分で受付開始 (2015-10-12 22:52)
 最終仕様のElliott (2015-07-30 16:43)

Posted by Specialite/Entreeスタッフ at 09:42│Comments(0)Specialite 鞄・バッグ
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。