2018年01月09日
【sample & Outlet】新喜皮革製ホースハイド コイン&キーケース
改めまして明けましておめでとうございます。

【サンプル製作】:コイン&キーケース

馬ヌメの鞣したままの姿。


馬革特有の傷や痣の跡が独特のムードを演出しております。

フリースペース部分もジッパーで開閉が可能な設計となっております。

良く見てみろと言われてみてみました。

仕立ては初回と同じく質実剛健な仕立てです。

今は採用していない太糸による縫製を採用しております。

小さな細かいところにもこだわり、勿論コバが発生する部分は磨きを施しております。

本体には少しマチを製作してパイピングで設計するなどのこだわりぶりです。
そして新成人の方々ご成人おめでとうございます。
Specialite & Etreeスタッフのアキラです。
2018年度も無事にスタート致しました。素晴らしい一年になりますよう期待が膨らみます。
また、新年早々のお問い合わせやオーダーありがとうございます。
さて、昨年12月の28日~1月8日まで冬休みを長く頂戴いたしました。現在新作に向けてサンプル製作中です。
サンプル作品も昨年度が少しづつリリースしておりますが、本日も贅沢なサンプル作品のご紹介です。
修正してさらに予算オーバーとなったコイン&キーケース
昨年度にイタリアンレザーを採用したコインケースのサンプルをご紹介いたしました。(詳細はこちら)。年末の棚卸し時に同じデザインのコインケースらしきものを発見致しました。

価格:8,000円(税別)
外装素材:新喜皮革製ホースハイド(馬革)
内装素材:帆布生地
カラー:ナチュラル
企画:日本経年変化協会
それがこちら。
もう1個見つけたぁ~!!と意気揚々と日本経年変化協会の会長に報告。少し嫌な表情で
「いやな、これちゃうねん・・・。」
え?何が違うんですか?会長からこのサンプル作品について詳細を尋ねました。流れを簡単に説明すると
①初回サンプルが予算オーバー(売値が高すぎる)。
②イタリアンレザー(輸入レザー)が予算オーバーの原因だと思う。
③国産レザーを採用しよう(新喜皮革のホースハイド採用)
④素材変えただけじゃ面白くない。キーケース機能を追加しよう!!
⑤キーケースの金具にもこだわってみよう!!
⑥結果、前回よりも予算オーバー(関係者に叱られる)
②イタリアンレザー(輸入レザー)が予算オーバーの原因だと思う。
③国産レザーを採用しよう(新喜皮革のホースハイド採用)
④素材変えただけじゃ面白くない。キーケース機能を追加しよう!!
⑤キーケースの金具にもこだわってみよう!!
⑥結果、前回よりも予算オーバー(関係者に叱られる)
何やってるんですか?会長
。

2度のサンプル製作で予算オーバーをクリアできる目処が絶たないことで完全に企画をボツにしたそうです。
しかし、これがなかなか良い作品なんです。
馬の荒々しさそのままに新喜皮革製フルタンニンホースハイドのナチュラルを採用
そもそも初回サンプル製作で予算オーバーをしたのはイタリアンレザーつまりインポートレザーを採用したことに原因があると考えたそうで、国産の上質なレザーを採用してインポートより価格を落とそうとしたそうです。その際にコードバンで有名な新喜皮革のホースハイド(馬革)の採用を検討したそうです。馬革って牛革に比べると傷が多いので色々仕上げ加工を施すものですが、今回はタンニン鞣しのみで染色など一切仕上げ加工を行っていないナチュラルな馬ヌメをそのまま。良くそんな市販されていないレザーを入手できましたね。
「当時、姫路のツテを使って仕上げ前のレザーを工場で直接選んで持ってきてもらったの。」
ってそんな事してたんですか・・・。
今は仕入れは非常にカッチリ管理されているので、これも創業時ならではエピソードかと思います。

本体にもスムースレザーですが、特有の凹凸感がそのまま活かされております。


「いや、これがワシ革使ってるって感じするやろ?」
と会長。今も昔もそんな趣味だったんですね・・・。
でここまでの変更であればレザー代金が百数十円コストダウンできたそうなんですが、
「素材変更だけやったらテンション下がるやん?ほんで機能追加したら失敗したんやがな・・・。」
最近、会長の事が判ってきましたが、予算が合わないのでそれよりも安価な素材に変更した時に企画担当者として妥協したと思ってしまうそうです(笑)。
追加機能にもこだわり過ぎたのも予算オーバーの要因
で、領収書や切符を挟み込むフリースペース部分を上手く何かに利用できないかと考えた会長と当時の仲間たち。
閉めた状態では私も追加機能が分かりませんでした。

開閉するとキーケースになってます(笑)。

でもこれだけでそんなに予算オーバーしますか?

「え~理解らへんの?センス無いな~。」
なんとこちらの金属パーツ。スイス製のamilet社製の金属パーツでございました。
で金属パーツの下にかすかに視える補強の為のレザーもあり、裁断パーツが増えて製作費用も工程が増えて値上がって、金像パーツの価格も加わってさらに予算オーバーしたそう・・・。
素材の出処不明と言うのを毛嫌いする会長。最近では原価のお勉強もされているそうですが(自称ですよw)、予算度返しのこだわりでサンプル製作をする度に原価があがると言う悪循環でボツにしたそうです(笑)。
仕立ては初回と同じく質実剛健な仕立てです。

本体内部には帆布生地でライニングを施しております。

ジッパーのスライダーもホースハイドで製作し、縫製を行う徹底ぶり。


「素材多少落として価格落とすのはかなり品質落とさないとあかん事が判ってん。ある程度の品質を維持したら安くなったと言っても知れてるちゅ~話やね。そやから素材でコストダウン考えへんねん。うちは。」
と会長。
自分の失敗談を美談にしてお話してくれました(笑)。
当ブランドで一番お買い得なのはサンプルかもしれないと(うっすら思う・・・)。
商品化が決定したサンプルは一度使い込んで見るのでほとんど残らないのですが、これがサンプル作品の面白いところでもあります。
今回も1個だけの唯一無二のサンプル作品となります。
コインケースにこだわりたい方。馬革愛好家の方は是非ともオーダーお待ちしております。オーダーはこちらから。
それでは本年度もよろしくお願い致します。
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