2016年01月27日

お待たせ致しました。キーケース『Fixation』リリースです

こんばんは。
Specialite & Entreeスタッフのアキラです。

先週末に日本経年変化協会のブログで先行して紹介されたキーケース『Fixation』は非常に多くの方々からお問い合わせ頂きました。今回、ようやくリリースの準備が整いましたので、ご紹介させて頂きます。


企画コンセプトは単純明快!!
~最高品質の究極の普通~

キーケース 『Fixation』
価格:9,000円(税別)
ブランド:Entree(アントレ)
素材:牛革 or 馬革
カラー:グリーン、バーガンディー、レッド、ブラック(パラフィン)
企画:日本経年変化協会
製作:椎名賢

キーケース『Fixation』の機能的には、一般的に各ブランド、メーカーから市販されているキーケースと何ら大きな違いはありません。大半のブランドやメーカーがキーケースと言うアイテムにおいて、機能的・構造的に大きな違いが無いことについては、企画担当の会長はもちろんの事、製作担当の椎名賢氏も
「これが一番使いやすい形なんじゃない??」
と両名が口を揃えて同じ返答でした。
デザイン的には当ブランドでリリースしている名刺ケース『Carte』からヒントを得てキーケースを企画したこともあり、『Carte』のデザインを踏まえています。内装パーツと同じレザー素材から革テープのパーツを製作し、縫製していく仕上げる工程は職人技ならではとも言えます。

キーフックは5連キーフックを採用しています。
内装パーツには当ブランドオリジナル皮革の『Pate』(脱クロム製法牛革・丘染め染色仕上げキャメル)を採用しています。
外装パーツにはカラーもタンナーも異なるレザーを採用しています(関係者の噂では会長が好きなカラーを好きなレザーで製作したとの事。)
当ブランドは長年ご愛用して頂き、『育てる』事でモノへの愛情を育んでいただきたいことより、数年使用した際、どのような経年変化を演出するのかを考えておりますので、素材選定を再優先しています。機能的には一般的ですが、徹底した素材選定と職人技を融合させることが今回のコンセプトである「最高品質の究極の普通」と言うことなのでしょう。


金属パーツは全て別注。
メッキするなら育てることが出来るメッキを施す!!

今回一番こだわっているのは5連キーフックを始めとした金属パーツです。
当ブランドでは、常時採用する金属パーツは製作時のデザイン的な視点はもちろん、レザー素材の経年変化後のデザイン的視点まで金属パーツも選定しています。レザーの経年変化を想定してシルバーとブラス(真鍮)はレザーと相性の良い金属パーツで、当ブランドからリリースしているアイテムの多くはブラス(真鍮)パーツを採用しています。

しかし、キーケースのキーフックに関しては真鍮製が存在しないことが分かりました。大切なキーが極力落下・紛失しないように摩耗に強い金属で製作されており、価格的にも副資材メーカーは鉄を採用していることが分かりました。一般的に市販されているのはニッケルを主体とした銀メッキや金メッキであったり、アンティークや古美仕上げと言われる真鍮メッキしかありません。これらは経年変化はせず、どちらか言うと劣化であると考え、今回別注で無垢の真鍮をメッキするBZメッキを採用してます。

無垢の真鍮ですので、レザーの経年変化に呼応するように経年変化する特別仕上げです。
別注でメッキしてもらうので、スプリングホックなどは真鍮パーツは存在し、当ブランドでは取り入れていますが、今回特別に一緒にメッキしてもらうことにより、5連フックと同じ経年変化を演出させることにこだわりました。


グリーンはフルタンニンピット鞣しの雄、栃木レザーモデル

グリーンはフルタンニンのピット鞣しとして全国的、世界的に有名な栃木レザーを採用しています。
ダコダ仕上げで、シュリンクとは異なる天然皮革素材ならではの皺がレザーらしい質感を演出しています。
一次代理店のハシモト産業からリリースされているダブルコガシのグリーンとなります。
使い込むことによって不規則な艶と色濃くなる育てがいのあるレザーです。


これがブラック??安心して下さいすぐに真っ黒な艶のあるブラックになります。
世界に誇る新喜皮革製のパラフィン仕上げの馬革

色あせたネイヴィーかグレーに見えるこの逸品。
実は正真正銘のブラックです。
レザーはコードバンで有名な新喜皮革の馬革を採用しています。白っぽく見えるのはパラフィンと言われる蝋成分でレザーに防水性を与えるために施される仕上げです。蝋成分なので短期間で落ちてしまい、艶のあるブラックになり、そこからレザーを育てることになります。
ブライドルレザーの現在版の仕上げになります。


レッドは海外イタリアのレザーを採用。
オットンチェット社の誇るトスカーナレザー。

真っ赤なレザーはイタリアのオットンチェット社の誇るトスカーナレザーを採用。
フルタンニンレザーですが、日本国内と使用されているタンニン剤が異なるため、仕上がりが異なります。
新品の状態では艶消しの状態ですが、使用により艶が生まれ黒みのある深い赤へと経年変化するのが特徴です。


一番人気のバーガンディーももちろんラインナップ。
会長お気に入りの脱クロム製法は国内最大の皮革産地播州でさらに洗練される

会長のお気に入りが脱クロム製法。
2年前から播州(兵庫県、たつの市、姫路市、加古川市付近)の複数のタンナーさんや商社さんと独自に研究されています。
人気のバーガンディーはダコタ調仕上げでオイル感のある仕上がりです。使い込むと阪急電車(関西のローカル鉄道)カラーになるそうです。色濃く艶々になる経年変化ですね?会長???

お問い合わせを多く頂き、急ぎでリリースの準備を行いました。
究極の普通のキーケース『Fixation』がリリースです。

  


Posted by Specialite/Entreeスタッフ at 22:36Comments(0)Entree 革小物お知らせ

2016年01月19日

少量だけ追加製作しました

こんばんは。
Specilaite & Entreeスタッフのアキラです。
ブログを更新したつもりが、下書きになってしまい、夜遅くの更新となってしまいました。

今回は好評で追加製作のお声を頂いておりましたが、なかなか着手できず久しぶりに少量ですが、アトリエから出来上がったアイテムのご紹介です。


長らくソールドアウト状態でした名刺ケース『Carte』の久しぶりの製作。
一番人気の茶芯ホースハイド仕様です

今回ご紹介させて頂くのはこちら。

名刺ケース『Carte~茶芯ホースハイド仕様~』
価格 : 8,500円(税別)
ブランド : Entree(アントレ)
素材 : 茶芯馬革(外装)/丘染め染色牛革(内装)
カラー : ブラック×ブラック、ブラック×キャメル
企画 : 日本経年変化協会
製作 : 椎名賢

ブランド開始からリリースされている名刺ケース『Carte』
好評を頂き、様々な素材を採用した仕様やテーラーとのコラボモデルなどもリリースされていました。
経年変化する革らしい革を採用しつつ、ハンドメイドならではのオリジナルのパターンは身近にその魅力を感じて頂けるアイテムでもあることから、好評を頂いていると思います。

今回はレザージャケットに採用される茶芯のホースハイドを採用した茶芯モデルでリリース以降即完売しており、再製作を望む声を頂いておりました。今回少量製作できました。

『Carte』の特徴はオリジナルのパターンです。外装パーツがマチのポケット部分を内装まで巻き込む形でパターンが製作されています。内装パーツと同じレザーを薄く漉き、革テープを別途製作し名刺ケースの外周を革テープで覆い、縫製をかけると言う大量生産には不向きな設計となっているため、モノ愛好家の方々に熱い支持を得ています。


一番人気はやはりオールブラック。
使い込む事にダークブラウンになる馬革と色濃く漆黒になる牛革のギャップを楽しんでいただきたい。


前回、即完売したのがこちらのオールブラックモデル。
内装パーツにはブラック染色の牛革を採用しているため、新品時には艶のある馬革と艶消しの牛革のコントラストが美しいです。
使い込むごとに色濃く艶が出る内装パーツの牛革と、ダークブラウンに変色する馬革の経年変化を楽しむ事ができます。

その様子は拡大してみると画像でもお分かり頂けるかと思います。
内装に巻き込んでいる外装パーツはカシメで止めており、カシメがワンポイントとなっています。

縫製している糸はレザーに併せてブラックを採用しており、オールブラックです。
革テープの外周の縫製はアトリエでも数年修行しているアシスタントでも非常に難しく、椎名賢氏のみが縫製できると言う非常に難易度の高い縫製技術が求められる設計です。


コアなレザー愛好家は育てるのが難しいキャメルのモデルを支持されています。

コアなレザー愛好家の方々の支持を集めているのがこちらの内装パーツが丘染め染色のキャメルモデルです。
企画担当の会長もキャメルが好きだと言っています。

キャメルは使い込むと美しい飴色になるダイナミックな王道の経年変化が楽しめるのでお薦めなんですが、
「ただ内装パーツがキャメルだから、名刺ケースは閉じてる時間が長いからなかなか焼けないよ。育てるの難しいよ。」
と企画担当の会長の言葉です。
なるほど・・・。じゃぁ育てるに時間がかかるってだけですね???
「甘いなぁ~。先に経年変化しちゃう部分があるでしょ?」
それは???

内装パーツと同じレザーで製作している外周の革テープ部分。
ここは名刺ケースを閉じていても外装部分は外気に触れているので先行して経年変化が発生してしまいます。
ちなみにキャメルモデルは縫製糸は生成りの縫製糸を採用しています。
外周の革テープが先に経年変化する。内装パーツは焼けにくいと。確かに育てるのは難しいですね。
コアなレザー愛好家の方々はそこが楽しいらしいのですが・・・。

それを聞いて私もキャメルモデルを愛用しています(笑)。

久しぶりの名刺ケース『Carte』が少量製作できましたので、新年名刺ケースをお買い替えされる方には是非育てていただきたいモデルとしてお薦めさせて頂きます。

  


Posted by Specialite/Entreeスタッフ at 23:38Comments(0)Entree 革小物お知らせ