2016年05月03日

『Lance』(Regular Specification)再製作分入荷しました

こんにちは。
Spcialite & Entreeスタッフのアキラです。

今年の2月に当ブランドのレギュラー仕様としてリリースさせて頂きましたショルダーバッグ『Lance』(Regular Specification)は、非常に多くのお問い合わせとオーダーを頂き2ヶ月足らずで無事完売致しました。
オーダー頂いた方とやり取りさせて頂いた中で
「友人から教えてもらった。」
「以前革小物をオーダーしたことがあったので。」
と口コミやリピートして頂けるお客様が多くいらっしゃって、私個人的には口コミで「あそこの鞄は良いよ。」と言って頂けるのが非常に嬉しく感じます。

さて、ショルダーバッグ『Lance』(Regular Specification)はそのネーミングの通り、当ブランドのレギュラーラインナップとして定番アイテムとしてまた多くのお問い合わせを頂いていることもあり、完売前に製作を行っておりました。先日ようやく完成し、企画担当でもある日本経年変化協会の会長が自らが検品を行い、本日ようやく入荷致しましたので改めてご紹介させて頂きます。


流行に左右されない定番のデザイン

『Lance』(Regular Specification)再製作分入荷しました
ショルダー・バッグ『Lance~Regular Specification~』
価格:60,000円(税別)
ブランド:Entree
素材:牛革(脱クロム鞣し、オイル染色仕上げ)
概算寸法:27cm×37cm×10cm
概算重量:約0.8kg
カラー:グリーン/ブラウン/ネイヴィー
企画:日本経年変化協会
製作:椎名賢

前回、一瞬で完売してしまったネイヴィーもしっかり再製作を行っています。
フラップ式の鞄は日本より鞄の歴史がある欧米においても普遍的なデザインです。企画段階で余計なアクセントとなるデザイン要素を全て排除する方向で企画されています。

結果シンプルな普遍的なデザインは、流行に左右されず服装もフォーマル、カジュアルを問わず持つことができ、年齢性別を問わないオールマイティーに受け入れられる鞄となりました。


小さすぎず大きすぎない『ほどよいA4対応』のサイズ感で製作

毎日愛用できる鞄の必要条件に『ほどよいサイズ感』が求められます。
服飾雑貨としてファッション的に目立ち過ぎないこと。そして小さすぎず大きすぎないサイズ感がほどよいと言われています。
「毎日じゃないけど、時々A4サイズの資料があるからA4入る余裕が欲しい」
企画担当の会長でA4サイズが入る余裕のあるサイズ縦幅27cm、横幅37cmと言う絶妙な大きさで製作者である椎名賢氏がパターンを設計しました。それに対してマチ幅は10cmに設計してあります。これ以下のマチ幅では鞄としての収納力にストレスを感じ、これ以上のマチ幅ではデザイン上ボリュームが増しスタイリッシュ性が損なわれるのでデザイン、機能性から見た最適なサイズ感となっています。

『Lance』(Regular Specification)再製作分入荷しました
画像カラー:ネイヴィー

メッセンジャーバッグの要素を取り入れ『鞄のかけ心地』に拘った逸品

今回の企画にはメッセンジャーバッグを研究しています。
メッセンジャーと言われる方々のお仕事は、オフィス街を自転車で書類を中心に運ぶ方々で一般的な配送業者にはない、「当日集荷当日配達」で急ぎの配達がメインです。調べてみたところ、メッセンジャーの方々は一日に約80km~100kmほど自転車で走るそうです。
一日中自転車で走り回るメッセンジャー達が愛用しているメッセンジャーバッグは一日中使ってもストレスを感じない工夫がなされています。その工夫を今回取り込んでいますがこちら。

『Lance』(Regular Specification)再製作分入荷しました
画像カラー:グリーン
ショルダーベルトは綿テープを採用しています。
これはベルト調整幅に制限を持たせない事が目的です。また重量のある荷物を収納しても伸びることもなく、身体への負担も軽減されることも考慮してあります。
ここで特筆したいことはこの綿テープ製のショルダーベルトの幅が50mmと一般的なショルダーベルトのベルト幅と比較しても幅があることです。ショルダーバッグタイプのメッセンジャーバッグの多くはショルダーベルトの幅が広い事が分かりました。これはたすき掛けをして持って自転車を漕いでも身体に鞄を安定させるのに必要なベルト幅です。さらに

『Lance』(Regular Specification)再製作分入荷しました
画像カラー:ネイヴィー
ショルダーベルトの本体への縫製も角度を計算して設計されています。
これもたすき掛けで持った際、身体へのストレスを軽減するための工夫ですが、ワンショルダーで持った際肩から鞄がずり落ちることを軽減してくれます。


非常に便利なフロントポケットと見やすいシンプルな内部構造

これまでオーダー頂いた方々のお声で多いのが大容量のフラップを開閉するだけですぐに使えるフロントポケットの存在です。

『Lance』(Regular Specification)再製作分入荷しました
画像カラー:ブラウン
フラップを開閉すると鞄のボディのフロント部分にポケットが装備してありますが、実際の使用において非常に使い勝手が良いと好評化を頂いております。スマホなどの携帯電話は勿論、頻繁に出し入れするような小物が収納できる大きさが十二分に確保しております。

『Lance』(Regular Specification)再製作分入荷しました
画像カラー:グリーン
また、鞄内部にはボディー背胴部分にインナーポケットを装備しており、スプリングホックボタンで固定できます。お客様によってはここにタブレットやA4サイズのノートPCを収納して固定されているそうですが、使い方はオーナー様次第となります。


革らしい経年変化を求めて最新の鞣し技術と昔ながらの仕上げのオリジナルレザーの採用
『育てる』鞄へ

当ブランドの商品企画を行っている日本経年変化協会設立時から、日本最大の皮革産地兵庫県の播州エリアのタンナーの方々の協力を得てきました。試行錯誤を繰り返し、行き着いたのが脱クロム製法と呼ばれる鞣し技法です。脱クロム製法は一旦クロム鞣しを行った後、クロムを抜き取り再度タンニン鞣しを行う技法です。昭和のバブル期から播州エリアでは普及した鞣し技法ですが、品質のバラ付きが多かったのですが、近年では機器の性能の進歩により体系化され品質が安定してきました。

日本経年変化協会の会長は9割以上のクロムを抜き取り、通常のヌメ革レベルまで仕上げることを考え、播州エリアのタンナーの方々と試行錯誤しながら理想のレザーを作り出すことに着手してきました。脱クロム製法にそこまでこだわった理由を会長に尋ねてみました。

「最近革の値段がここ数年ず~と値上がりしてるんや。牛や馬の革は基本食肉の副産物で今肉の消費量が減っとるから需要と供給のバランスは崩れるやろ??ほんで欧米の自動車メーカーの車は基本全車種革張りのシートで大半が中国でシート作ってるから中国の原皮の購買量がメッチャ増えてるから日本に入ってくる革は値段があがるって数年前から打診があったからな・・・。」

なるほど~で、なんで脱クロム製法なんですか?

「基本、革の良し悪しは原皮の質やねんな。原皮から仕入れて、保管するのに冷蔵設備あるところで保管して、塩漬けの革を洗い流して、石灰で脱毛してそれからタンニン鞣しするだけでめっちゃ経費かかるやん。脱クロム製法は北米産原皮でも現地のタンナーがクロム鞣ししたウエットブルーで仕入れるから冷蔵設備もいらんし、洗い流したり石灰で脱毛する必要もないから工程を大きく省けるやろ?え~品質を最適な価格で、こしらえれるやん。フルタンニンレザーの欠点は革の芯に残したクロムの長所で補えるしね。多分僕が企画した鞄や革の小物は僕より長生きするよ(笑)。」

なるほど、伊達にフラフラ出歩いてる訳ではないんですね(笑)。
レザーの美しい経年変化に欠かせない要素は、原皮の質と仕上げです。当ブランドのオリジナルレザーは北米産Aクラス原皮を最新の脱クロム製法で鞣しを行っていますが、仕上げは昔ながらと染色とオイルだけで仕上げており、余分な溶剤を一切使用しておりません。

『Lance』(Regular Specification)再製作分入荷しました
画像カラー:ブラウン
そのため仕上がりは淡い質感となりますが、製品に加工後、使い込むことによってオイルが浸透し色濃く変色する経年変化を演出してくれます。スムースでもなく、天然シュリンクでもないダコダ調と言われるもっともレザーらしい表情の細かい皺のある仕上げをおこなったものが当ブランドオリジナル皮革素材の『Sel』です。

レザー愛好家なら必ず拘ってしまう素材のクオリティーを躊躇したショルダーバッグ『Lance』(Regular Specification)は、育てる鞄と言えます。


定番のブラウンは初心者から愛好家を満足させる王道カラー

『Lance』(Regular Specification)再製作分入荷しました
3色展開の『Lance』(Regular Specification)の中でも最もベーシックなカラーライナップがブラウンです。
新品の状態で美しい狐色に近い仕上がりとなっていますが、長年大切に愛用して頂くことにより、日常的な日焼けとオイルが馴染むことにより、色濃い飴色へと経年変化します。

『Lance』(Regular Specification)再製作分入荷しました
ダコダ調の仕上げによるMaterialがもつ不均一な凹凸の陰影をヴィジュアル的により体感できるカラーとも言えます。
定番カラーだけに、服装を選ばない汎用性に高品質なレザー初心者方も気兼ねなくご愛用頂けるだけでなく、レザー愛好家の拘りの方は定番カラーを自分色に『育てる』育て甲斐あるカラーと言えます。


レザー愛好家から支持のあるネイヴィーは真っ黒になるまで育てて欲しい逸品です

『Lance』(Regular Specification)再製作分入荷しました
ネイヴィーと言うカラーは不思議なカラーです。
ネイヴィーを支持する方々の多くはMaterialの品質をこだわるレザー愛好家の方々が多いと感じています。
顔料や溶剤を持ちいらず仕上げるレザーは一般的に発色の良い鮮やかな色合いを表現するのは難しいのですが、ここまで鮮やかなネイヴィーを表現してくれました。さすが日本最大の皮革産地と言えるタンナーの意地と技術です。

『Lance』(Regular Specification)再製作分入荷しました
デニムは色薄く色落ちを楽しむものですが、『Lance』(Regular Specification)のネイヴィーは色濃く黒みを増す経年変化を楽しんで頂きたい逸品です。ダコダ調による凹凸とオイルの浸透による色の濃淡を自然に任せるのか、オーナー様が主導を握るのか、謂わば『育ってしまう』のか『育てるのか』かに別れるカラーとなります。日本経年変化協会の会長は『育てる』派ですので、『育てる』には定期的なオイルアップが必要だとの事です。


ありそうで見かけないのがグリーンの染色レザー

『Lance』(Regular Specification)再製作分入荷しました
レザー製品でありそうで見かけないのがグリーンのレザーです。
見かけてもその多く顔料で仕上げられた発色の良いものが多く、『Lance』(Regular Specification)企画段階で会長がイチオシしていたのがグリーンのラインナップレギューラ化でした。

『Lance』(Regular Specification)再製作分入荷しました
新品の段階では美しい若草色のグリーンですが、使い込むと他のカラーラインナップと同じく、日焼けとオイル浸透により色濃い深緑色へと経年変化します。凹凸と浸透による濃淡は会長曰く「これは自然に」との事です。


王道のブラウンも捨てがたく、育て甲斐のあるネイヴィーも育ててみたく、珍しいグリーンの経年変化も見てみたい。
かなり迷ってしまうラインナップですが、ようやく再入荷致しました。

お問い合わせ先
『Lance』(Regular Specification)の販売は下記通販サイトでのお取り扱いとなります。
http://specialite.shopselect.net/


その他お問い合わせは
contact@agingjapan.com

までお問い合わせ下さい。



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Posted by Specialite/Entreeスタッフ at 13:37│Comments(2)お知らせEntree バッグ
この記事へのコメント
初めまして、藤田と申します。
素晴らしい商品ばかりで撃沈されました。

ショルダーバッグ Lance Regular Specification についてですが、横幅を半分にし、フロントポケットを1つにしたものを作って頂く事は出来ますでしょうか?
Posted by 藤田 博之 at 2016年05月04日 12:42
藤田様

いつもご覧頂きまして誠にありがとうございます。
お問い合わせに関しましてですが、現在個人オーダーはお受けしていない状況です。

『Lance』のミニヴァージョンの企画は現在会長と製作担当の椎名賢氏の間で行われており、フロントポケットが一つになる案が出ております。おそらくご希望に添える形かと思います。

今しばらくお待ちいただけますようよろしくお願いいたします。
Posted by Specialite/EntreeスタッフSpecialite/Entreeスタッフ at 2016年05月05日 18:41
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