2018年01月14日

【Sample & Outlet】R-18プロジェクトBill Ford

こんにちは。
Specialite & Entreeスタッフのアキラです。

本日は少しレアなサンプル作品をご紹介させて頂きます。

究極の贅沢『R-18プロジェクト』の1stサンプル

【サンプル製作】:Bill Ford
価格:30,000円(税別)
外装素材:姫路産ステアハイド(牛革)
内装素材:新喜皮革製茶心ホースハイド(馬革)
カラー:レッド
装備:札入れ1箇所/コインケース1箇所/カードポケット7枚/フリースペース
企画:日本経年変化協会

なんとこちらは、2013年に日本経年変化協会が初めて商品企画プロデュースを行ったプロジェクトである『R-18プロジェクト』の作品のサンプル製作です。本作はBill Ford(二つ折り財布)の1stサンプルとなります。『R-18プロジェクト』の詳細については専用WEBサイトでご確認頂けます。

【R-18プロジェクト専用WEBサイト】
http://r-18agingjapan.com/


当時の苦労が伺える1stサンプルの魅力的なストーリー
当時全ての作品はサンプル製作を繰り返しながらレザーの選定を行うと言う苦肉の非効率な方法がなされていたと言います。理由の一つとしては、当初姫路のタンナーで専用の真っ赤なレザーをオーダーしたが納得できる『赤』が表現できなかったと言う理由だそうです。顔料を一切用いらず染料のみで仕立てる染色レザーで真っ赤な鮮やかな赤を表現するのは難しいと言うことでした。最終的に栃木レザーイタリアンレザーへのオーダーに至ったそうです。

1stサンプルの本サンプル作品は採用はされなかった姫路のステアハイド(牛革)です。
不採用の理由としては艶が更に欲しかった事とタンナーから提出された価格に中抜き業者が異論を唱えるなど、姫路内部の人間関係も複雑だり、改善のお願いをせずに不採用にしたと言うことです。なんでも最初は品質や人間関係など非常に苦労したそうです。
しかし、つや消しとは言えこれはこれで美しい『赤』です。

背面の様子。
ミシンのステッチワークを活かした縫製などはサンプル段階で決定して微調整のみで製品化したそうです。

メダリオン装飾も本製作と異なる形状。
こういう本作と異なる部分もサンプル作品特有の良さがあります。

少しオイルを多く含んだレザーであり、飾りステッチの段階でレザーにミシン跡が残る事からも改善が必要であり、不採用に至った理由の一つでもあります。レザーは製作してみないと理解らないと今だに悩んでいるそうです。

飾りステッチの美しさが魅力です。
ライニングレザーとの強度も美しい飾りステッチによって補強されています。

お財布の側面部。
ここでもサンプル製作特有の仕立てを感じます。
本製作のBill Fordでは全てコバは無着色で仕上げています。このサンプルでは真っ赤な牛革と真っ黒な馬革を貼り合わせた部分だけコバを黒く着色しております。コバの仕上げをどうするか?そう言った意味でコバの着色した部分と着色していない部分と異なる仕上げにしています。言われるまで違和感を感じない仕上がりですが、企画段階ではこう言った細かい部分まで論議されています。

『R-18プロジェクト』の作品では副資材にまでこだわり、副資材は彫金師である38Silver Works代表の宮達朗氏の彫金作品が採用されていますが、宮氏がプロジェクト参画前のサンプル製作であるため、ブラス(真鍮)製の汎用パーツが装着されています。
いや、これでも私的には十分なのですが・・・。

ベルト部分も勿論ライニングが施されているこだわりよう。

札入れスペース。
近年ではLong Wallet(長財布)が人気のようですが、コンパクトタイプのBill Ford(二つ折り財布)も根強い愛用者がいらっしゃいます。

二つ折り財布で機能性を求めた結果の形状と言えます。
コンパクトな外装にも関わらずカードが7枚収納でき、コインケースやお札も十二分に収納できます。

コインケースはラウンド状に設計されていますので、硬化の出し入れをスムーズに行うことができます。

サンプルと言えども勿論ジッパーはWALDESジッパーを採用しております。

カードスペースは合計2箇所で7枚収納できるBill Fordタイプでは比較的カード収納力を要しております。

フリースペス。
会長は領収書を財布に収納する時にお金と一緒にしたくないと頑なに主張するんですが、当時からその様子が伺えます。
カードを入れても良し使い方は自由ですが、あくまでも領収書収納スペースだそうです(笑)。

受注生産で贅の限りを尽くして製作された『R-18プロジェクト』の作品たち(現在は受注を受け付けておりません)。
そんなサンプル製作はサンプルと呼ぶには勿体無い仕上がりとなっております。
ご希望の方はこちらからオーダーをお待ちしております。


  


Posted by Specialite/Entreeスタッフ at 16:52Comments(0)サンプル・試作

2018年01月09日

【sample & Outlet】新喜皮革製ホースハイド コイン&キーケース

改めまして明けましておめでとうございます。
そして新成人の方々ご成人おめでとうございます。

Specialite & Etreeスタッフのアキラです。
2018年度も無事にスタート致しました。素晴らしい一年になりますよう期待が膨らみます。

また、新年早々のお問い合わせやオーダーありがとうございます。

さて、昨年12月の28日~1月8日まで冬休みを長く頂戴いたしました。現在新作に向けてサンプル製作中です。
サンプル作品も昨年度が少しづつリリースしておりますが、本日も贅沢なサンプル作品のご紹介です。


修正してさらに予算オーバーとなったコイン&キーケース
昨年度にイタリアンレザーを採用したコインケースのサンプルをご紹介いたしました。(詳細はこちら)。
年末の棚卸し時に同じデザインのコインケースらしきものを発見致しました。

【サンプル製作】:コイン&キーケース
価格:8,000円(税別)
外装素材:新喜皮革製ホースハイド(馬革)
内装素材:帆布生地
カラー:ナチュラル
企画:日本経年変化協会

それがこちら。
もう1個見つけたぁ~!!と意気揚々と日本経年変化協会の会長に報告。少し嫌な表情で
「いやな、これちゃうねん・・・。」
え?何が違うんですか?会長からこのサンプル作品について詳細を尋ねました。流れを簡単に説明すると


①初回サンプルが予算オーバー(売値が高すぎる)。

②イタリアンレザー(輸入レザー)が予算オーバーの原因だと思う。

③国産レザーを採用しよう(新喜皮革のホースハイド採用)

④素材変えただけじゃ面白くない。キーケース機能を追加しよう!!

⑤キーケースの金具にもこだわってみよう!!

⑥結果、前回よりも予算オーバー(関係者に叱られる)

何やってるんですか?会長icon11
2度のサンプル製作で予算オーバーをクリアできる目処が絶たないことで完全に企画をボツにしたそうです。
しかし、これがなかなか良い作品なんです。

馬の荒々しさそのままに新喜皮革製フルタンニンホースハイドのナチュラルを採用
そもそも初回サンプル製作で予算オーバーをしたのはイタリアンレザーつまりインポートレザーを採用したことに原因があると考えたそうで、国産の上質なレザーを採用してインポートより価格を落とそうとしたそうです。その際にコードバンで有名な新喜皮革のホースハイド(馬革)の採用を検討したそうです。
馬革って牛革に比べると傷が多いので色々仕上げ加工を施すものですが、今回はタンニン鞣しのみで染色など一切仕上げ加工を行っていないナチュラルな馬ヌメをそのまま。良くそんな市販されていないレザーを入手できましたね。
「当時、姫路のツテを使って仕上げ前のレザーを工場で直接選んで持ってきてもらったの。」
ってそんな事してたんですか・・・。
今は仕入れは非常にカッチリ管理されているので、これも創業時ならではエピソードかと思います。

馬ヌメの鞣したままの姿。
本体にもスムースレザーですが、特有の凹凸感がそのまま活かされております。

馬革特有の傷や痣の跡が独特のムードを演出しております。
「いや、これがワシ革使ってるって感じするやろ?」
と会長。今も昔もそんな趣味だったんですね・・・。
でここまでの変更であればレザー代金が百数十円コストダウンできたそうなんですが、
「素材変更だけやったらテンション下がるやん?ほんで機能追加したら失敗したんやがな・・・。」
最近、会長の事が判ってきましたが、予算が合わないのでそれよりも安価な素材に変更した時に企画担当者として妥協したと思ってしまうそうです(笑)。

追加機能にもこだわり過ぎたのも予算オーバーの要因
で、領収書や切符を挟み込むフリースペース部分を上手く何かに利用できないかと考えた会長と当時の仲間たち。

フリースペース部分もジッパーで開閉が可能な設計となっております。
閉めた状態では私も追加機能が分かりませんでした。

開閉するとキーケースになってます(笑)。
でもこれだけでそんなに予算オーバーしますか?

良く見てみろと言われてみてみました。
「え~理解らへんの?センス無いな~。」
なんとこちらの金属パーツ。スイス製のamilet社製の金属パーツでございました。
で金属パーツの下にかすかに視える補強の為のレザーもあり、裁断パーツが増えて製作費用も工程が増えて値上がって、金像パーツの価格も加わってさらに予算オーバーしたそう・・・。

素材の出処不明と言うのを毛嫌いする会長。最近では原価のお勉強もされているそうですが(自称ですよw)、予算度返しのこだわりでサンプル製作をする度に原価があがると言う悪循環でボツにしたそうです(笑)。

仕立ては初回と同じく質実剛健な仕立てです。

仕立ては初回と同じく質実剛健な仕立てです。
本体内部には帆布生地でライニングを施しております。

今は採用していない太糸による縫製を採用しております。
ジッパーのスライダーもホースハイドで製作し、縫製を行う徹底ぶり。

小さな細かいところにもこだわり、勿論コバが発生する部分は磨きを施しております。

本体には少しマチを製作してパイピングで設計するなどのこだわりぶりです。
「素材多少落として価格落とすのはかなり品質落とさないとあかん事が判ってん。ある程度の品質を維持したら安くなったと言っても知れてるちゅ~話やね。そやから素材でコストダウン考えへんねん。うちは。」
と会長。
自分の失敗談を美談にしてお話してくれました(笑)。

当ブランドで一番お買い得なのはサンプルかもしれないと(うっすら思う・・・)。
商品化が決定したサンプルは一度使い込んで見るのでほとんど残らないのですが、これがサンプル作品の面白いところでもあります。

今回も1個だけの唯一無二のサンプル作品となります。
コインケースにこだわりたい方。馬革愛好家の方は是非ともオーダーお待ちしております。オーダーはこちらから。


それでは本年度もよろしくお願い致します。



  


Posted by Specialite/Entreeスタッフ at 08:02Comments(0)お知らせサンプル・試作