2015年06月18日

オリジナル皮革素材『Pate』について

こんにちは。
Specialiteスタッフのアキラです。

前回のブログEmma Toteをご紹介させて頂きましたが、早くもお問合せを頂き有難うございます。
現在Specialite及びEntreeの専用WEBサイト及び通販サイトを構築中ですので今しばらくお待ちいただけますようよろしくお願いいたします。進捗としてましては現在画像の準備と原稿を製作中の段階とのことです。

さて、今回は私も初めて勉強させて頂いた皮革素材についてご紹介させて頂きます。


オリジナル皮革素材『Pate』について

当ブランドの企画・運営の日本経年変化協会及びKen Shiina Design Laboratoryは共同でオリジナル皮革レーベル『Marche』を立ち上げており、オリジナル皮革素材『Pate』を開発しています。

皮革素材 : Pate
企画 : 日本経年変化協会+Ken Shiina Design Laboratory
原皮 : 国産牛皮
鞣し : 脱クロム製法
原厚 : 2mm厚(漉き加工可能)
色数 : 8色(上記カラー+ナチュラル生成り)


現在皮革の価格は年々値上がりを続け、皮革関連の商社、タンナーは廃業されるところも増えてきています。
皮革素材の価格の値上がりには下記の要因が考えられています。
・円安による輸入の問題
・海外原皮の関税の問題
・牛の屠殺量の減少
・中国の大量の購買

これらはどうしようもない問題です。
日本経年変化協会の会長は設立当初からオリジナル皮革素材の開発に長年情熱を注いでおり、昨年から姫路レザー有限会社で脱クロム製法のレザーの開発・研究を行いました。
経年変化を重視してさらにタンニン鞣しの割合を十二分にレシピを変更したものが、今回ご紹介させて頂いた『Pate』となります。

これは経年変化サンプルですが、キャメルが日焼けして美しい飴色に変色しています。
レザーを専門にお仕事されている業者様も
「これはヌメ革ですよね?」
とおっしゃられるほど、しっかりとタンニンで鞣しが施されております。あえて、脱クロム製法を用いた理由は

「製作の過程でレザーを薄く(0.5mm以下)に漉く場合通常ヌメ革であれば裂けやすくなる。そこでクロムの耐久性だけが欲しかった。」

との事。これは当ブランドのCTOである椎名賢氏の職人として意見です。
長年の愛用とそれに伴う経年変化と耐久性まで徹底的に素材研究しているのも当ブランドのこだわりと言えます。
  


Posted by Specialite/Entreeスタッフ at 19:33Comments(4)皮革素材・その他素材

2015年06月18日

Specialite Emma Label~Emma Tote Bag~

こんにちは。
Specialiteスタッフのアキラです。

ブランドの紹介を終えたので、今回より具体的に商品の紹介をしてまいります。
現在、専用のWEBサイト及び通販サイトをオープン予定ですので、よろしくお願い致します。


製作待ち期間現在2ヶ月以上。
リリース1年以上経ても衰える人気の最高品質の『Emma Tote Bag』

今回ご紹介するのはSpecialiteのメインアイテムとなる鞄です。

Tote Bag : 『Emma Tote』
サイズ : W39cm☓D12.5cm☓H28cm (ハンドル含まず)
重量  : 約990g
ブランド : Specialite Emma Label
企画 : 日本経年変化協会
製作 : Ken Shiina Design Laboratory 代表 椎名賢
価格 : 80,000円(税別)
素材 : 
牛革(栃木レザー)

日本経年変化協会より約1年前にリリースされた鞄をSpecialite仕様にアレンジされてリリースされます。
現在もお求めになるお客様も多いのですが、全てがハンドメイドであるため、品切れとなり、次回製作が2ヶ月先だと連絡を受けています。


企画コンセプト

企画は言わずとしれた日本経年変化協会の会長さん。
会長はご自分の趣向をベースに企画をされるそうですが、ハリウッド女優のエマ・ワトソンのファンだそうです。
「僕がエマに鞄をプレゼントするなら・・・。」
で企画されたのが、Emma Labelシリーズです。
日本経年変化協会の会長さんは映画ハリポッターシリーズの大ファンでエマ・ワトソンが10歳の頃から応援しているそうで、綺麗になった現在でも女優ではなく、キャラとして応援されているそうです。なので、彼女には勝手に中性化のイメージとして捉えているようで、Emma Labelは全てユニセックスとして企画されています。


素材の選定

Emma Labelだけでなく、Specialiteは皮革素材の選定を会長の目で見てその時一番状態の良い皮革素材を仕入れます。
今回のオレンジのEmma Toteは会長の私物ですが、傷の少ない栃木レザーが偶然仕入れたので、採用したそうです。
ですので、特定のタンナーから皮革仕入れを行うわけではないので、その都度できあがる鞄は大半は一点モノとなります。


「原産国が日本。それだけでmade in Japanではダメ。」
大量生産できない全てが完璧に計算されたものがジャパンメイド

職人の方々より
「会長の検品は異常に厳しい。」
と言われます・・・。縫製のステッチ一針のチェックをされるそうです。

製作が追いつかないなら、外注(縫製工場へ発注)してみてらどうでしょう?と提案もしました。会長はニヤニヤ笑いながら、外注を聞いてご覧と言われたので、私の方で縫製工場数社にアタリましたが、この鞄のパターンは出来ないと言われてしまいました。この事を報告しますと、
「最近日本製ブーム。made in Japanを謳う鞄が多いが、中国製の方が綺麗な場合が多い(笑)。
原産国が日本ってだけではダメで、大量生産できないハンドメイドの完璧に計算されたものがジャパンメイドなんだよ。」
と言われました。

製作はKen Shiina Design Laboratory代表の椎名賢氏。全てのパーツの縫製の前に左右対称に何針ずつ縫製するのか全て事前に試験して計算して縫製しています。

熟練の卓越した技術を要する職人ですら事前に全て計算して一糸乱れの無い縫製で仕上げる。
ここまで拘って計算されたアイテムがSpecialiteです。


Emma Tote仕様

Emma Toteの特徴はシンプルで飽きの来ないヴィジュアルと独特の台形のシルエット形状です。
素材選定はその都度ですが、素材選定の際Emma Toteに関しては本体をシュリンクレザー、パーツをスムースレザーと異なる種類の皮革素材を組み合わせるコンビ使いが特徴です。

Emma Toteの特徴である台形シルエットは鞄内部に設置されたインナーベルトが演出しています。
インナーベルトは実際に3段階に長さを調整することができ、台形の傾斜を好みに応じて調整することができます。

インナーベルトを開放するとシルエットがトランスフォームし、内容量が増します。
A4ファイルやノートPCが収納できるほどで、ブラックやブラウンと言ったカラーではビジネスバッグとして利用して頂いているお客様もいらっしゃいます。

鞄メイン開口部は差し込み式の別とを採用しています。
パーツには全て補強材が芯材に採用されて立体感を演出して、デザイン性、耐久性を向上したのがSpecialite仕様となります。

鞄底部には5つの底鋲を施しております。
鞄を置くことまで考慮したトート・バッグとなります。

鞄内部には対面式でインナーポケットを2つ装備しています。
1つはオープンタイプのポケットで携帯電話などの小物入れや敷居で2つに区切っていますので、ペンなどを収納することができます。
インナーの生地は丈夫なチノ生地を採用しています。

もう一対のインナーポケットはファスナー式のポケットを採用しているので、通帳などの貴重品の収納に最適です。
なお、採用しているのはYKKの最高品質のEXCELLAを採用しています。
こちらのEXCELLAは業者に発注後の製作となり、ファスナーが手元に届くまで約1ヶ月かかると言う高品質の副資材と言えます。
ファスナーの引き手も鞄のパーツと同じレザーで製作します。
縫製は左右対称、コバは切り目本磨きで仕上げます。

ブランドタグは刻印してコバを磨いてから縫製と言う拘りよう。
長年ご愛用頂くことで鞄内部で経年変化をします。

前述で申し上げた通り縫製ステッチ全て計算して縫製しております。左右対称かつ一糸乱れぬことのない縫製は製作担当の椎名賢氏の卓越した技術を感じさせてくれます。

ハンドルは芯材をスムースレザーで巻き込んで縫製を掛けてコバ(革の断面)を丁寧に磨いて仕上げる切り目本磨き技法で仕上げています。コバ処理は時間をどれだけかけるかでその仕上がりが左右され、Specialiteではあたかも一枚革に見えるぐらいまで磨きあげています。

Emma Toteはトート・バッグでありながら、ショルダー・バッグとしても利用できる2WAY仕様となっております。
様々な検証の結果もっとも使いやすいと言うことで、通常の綾織り綿テープでは珍しい38mm幅を採用しております。補強部分は全てパーツ部分のスムースレザーで製作しております。
あえて、綿テープを採用した理由としては
・レザーベルトであれば長年のご愛用でベルト自身が伸びてしまう。
・レザーベルトであればベルト方式の長さ調整で調整の幅が制限される。

と言った理由で使い勝手を考えて今回の仕様となっております。

また、昨年姫路レザー有限会社様からの別注モデルでは別売りとなっておりました、ショルダーパッドがSpecialiteではデフォルトで標準搭載されております。オープン式ロックハンドルの真鍮ジッパーを採用することにより、Emma Toteだけでなく、お客様のお手持ちの既存のショルダー・バッグに取り付けることも可能です。

こちらのショルダーパッドの裏面は鞄では通常採用しないイタリア製の靴のソールとして名高いヴィムラムソールを採用していることが特徴です。衣服を傷めることがく、滑りにくいと言った理由で採用しております。

Specialiteでは基本原則、その時に最も状態の良い皮革素材を仕入れ製作するため、同じデザインであっても同じカラーや同じ仕上げのレザーで何度も製作する保証はできません。企画プロデュースされた日本経年変化協会の会長さん曰く
「買い物も縁だから出会いは一期一会だから面白い。」
私も同感です。ビビっと来る逸品が出会えることを強く願います。
今後通販サイトなどで、その都度ご紹介させて頂きますので、お気に召すデザインやカラーリングが出てきた場合は是非ご購入頂ければ幸いです。


お問い合わせ先

現在Emma Toteの製作は3ヶ月以上待ちとなっております。
ご注文頂いてる方々には長い時間を頂戴して申し訳ございませんが、今しばらくお待ちいただけますようよろしくお願いいたします。

次回製作などに関しては
contactアットマークagingjapan.com
までお問合せお願い致します。
※スパムなどを防ぐため、お問合せの際はアットマーク→@に変換してから送信して頂けますよう宜しくお願い致します。
  


Posted by Specialite/Entreeスタッフ at 17:24Comments(0)Specialite Emma Label